2012年5月1日火曜日

「その後、私は、刑事事件を多く扱うようになりました。そして、裁判官や検察官という存在に対して、甚だしい不信感を抱くようになりました。」という弁護士さんのコメント

司法ウオッチ/【裁判員制度】裁判員制度は本当に必要だと思いますか
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「かすかな希望の光」だと思っています
杉山博亮(東京弁護士会)
裁判員制度に賛成です。
最善かどうかはともかく、実現してよかったと思っています。

裁判員制度が導入される前、私は、東弁のある委員会でこの制度の検討をしました。当時、私はこの制度に対して懐疑的でした。
まだ、それほど多くは刑事事件をやっていなかったころのことです。当時は、同じ法曹である裁判官や検察官に対して、まだ一定の信頼感を抱いていました。

その後、私は、刑事事件を多く扱うようになりました。そして、裁判官や検察官という存在に対して、甚だしい不信感を抱くようになりました。司法修習生のころ、あんなに輝かしく有能な大先輩に見えた裁判官や検察官に対して、です。

刑事裁判において、弁護人の主張・立証など「荒野に向かって叫ぶ」に等しい、と感じています。
正直なところ、刑事裁判官や検察官には、一度全員やめてもらって、弁護士から任官してほしいと考えています。
弁護士に成り立てのころ、会合で顔を合わす大先輩のおじいちゃん弁護士たちが「法曹一元」と熱く語っていた意味を、最近噛みしめています。

裁判官には無理でも、裁判員になら、まだ声が届く可能性があるのではないか。これが私の一縷の望みです。

私自身は、裁判員裁判で、まだよい結果をもらっていません。ただ、裁判員の方々は極めてまじめだと感じています。
この制度の導入が決まったころから、裁判傍聴をする人の数は目に見えて増えました。みんなまじめだなと思います。そして高い意識をもっていることに感心します。

だから、期待しています。少なくとも、真実を見抜こうという目で事実認定に臨んでくれると思えます。量刑理論だって、かみ砕いて説明するなら、理解しようとしてくれるでしょう。
裁判官に対しては、私は、もはやそんな期待すらできなってしまいました。裁判官がどんな人たちか。それを国民が知るだけでも、意味があります。

コメント欄から引用させて頂きました。自分の刑事裁判に対する意識の変化にも似ていると思いました。また、裁判員制度を支持する理由にも共通するものがありますが、国民が裁判官を知る、というよりは、弁護士がどういうものかを知るべきだという気持ちが強かったです。

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