2012年10月19日金曜日

裁判官が、罪を犯した動機や背景を理解しようと、被告人の話に熱心に耳を傾けている姿や、被告人が事件にきちんと向き合い、更生できるように工夫している

朝日新聞デジタル:裁判官  西脇 真由子さん-マイタウン京都

最初は、「なぜ同じような質問が繰り返されるのだろうか」と思いました。しかし、傍聴するうちに、それぞれの立場から犯罪の動機をじっくりと聞いて理解しようとしていることや、同じことを繰り返さないためにはどうすればいいのかを本人に考えさせようとしていることが伝わってきました。私は、この日の傍聴をきっかけに、裁判に興味を持ちました。
裁判官が、罪を犯した動機や背景を理解しようと、被告人の話に熱心に耳を傾けている姿や、被告人が事件にきちんと向き合い、更生できるように工夫している姿を見て、裁判官に憧れるようになったのです。
私はいま、裁判員裁判を担当しています。裁判員の方々も、裁判官以上に被告人の思いや犯行に至った経緯を理解しようと、被告人や証人の話に真剣に耳を傾け、誠実に取り組んでおられて、頭が下がります。私も、裁判員の方々に負けないくらい、被告人の話をじっくり聞き、少しでも心情を理解し、聞いた話を踏まえた上で、より適切な判断ができるよう、日々努力していきたいと考えています。

弁護士には法律知識よりもむしろ、いかに反省を促し、問題点に気づいて立ち直ってもらうかの腕が問われます。

朝日新聞デジタル:弁護士 野澤 健さん-マイタウン京都

そんな私が、弁護士登録してからずっと取り組み続けているのが少年事件です。少年事件は審判までの期間が短く、受任すると少年との面会や保護者との面談、被害者との示談交渉や事件記録の検討など、あれこれと走り回ることになります。  ほかにも多くの事件を抱えているので、正直なところ、少年事件を担当することはなかなか大変です。それでも、多くの少年が審判を通じて自分を見つめ直し、最初に会った頃とは見違えるほど成長していく姿を見られることにやりがいを感じます。  非行を認めている事件の場合、弁護士には法律知識よりもむしろ、いかに反省を促し、問題点に気づいて立ち直ってもらうかの腕が問われます。小難しい理屈を持ち出すのではなく、正面から向き合って話ができるのも、やりがいだと感じます。

自分が火事や犯罪を起こさなくても、被害に遭うかもしれないという心配はあるでしょう。訴訟について、同じような心配は本当にないですか

朝日新聞デジタル:弁護士 橘 英樹さん-マイタウン京都

近くに裁判所がなくて「困ったな」と思ったことはありますか? 多くの方は「そんなに困らないよ」と思われるでしょう。では、消防署や警察署ならどうでしょう。さすがに「困った」「不安だな」と思われるでしょうね。たとえ自分が火事や犯罪を起こさなくても、被害に遭うかもしれないという心配はあるでしょう。訴訟について、同じような心配は本当にないですか。

今こそ、「弁護士とは社会でどのような役割を担う人間なのか」ということを明らかにするべきだ。

給費制廃止で司法修習生がなんと“多重債務者”に 今こそ議論すべきは「弁護士の一分」|弁護士界の憂鬱 バブルと改革に揺れた10年|ダイヤモンド・オンライン

今こそ、「弁護士とは社会でどのような役割を担う人間なのか」ということを明らかにするべきだ。本連載第3回で詳述したように、弁護士界は弁護士人数増加による就職難が深刻で、給費制廃止派が言う「弁護士になれば稼げるようになる」という前提も崩れている。「弁護士の一分」の答えを見出す良いタイミングではないだろうか。